白隠正宗 富士山の日 朝搾り

白隠正宗 富士山の日 朝搾り

こんにちは福屋酒店です。
立春とは名ばかりの真冬の寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて本日は、毎年恒例の白隠正宗 富士山の日朝搾りをご紹介いたします。
早朝に酒販店が集合し今年の味わいを確認、神主様にご祈祷いただいた後、出荷作業を行いその日のうちにお客様へ発送させていただきます。


通常は酒を搾ったあとに数日静置し、澱を沈めてから瓶詰めする"澱引き"という作業をおこないますが、朝搾りは澱引きせずそのまま瓶詰めした"おりがらみ"となります。
おりがらみは、細かい米の破片などを含む澱や、炭酸ガスを残し、うっすら白く濁っています。
澱には旨味も香りもあるので、フレッシュ感と澱に含まれる独特な濃厚な風味を楽しめます。

 毎年ご好評をいただいておりますこちらのお酒は、富士山の伏流水、地元産の酒米誉富士、静岡酵母、さらに地元の蔵人によって造られた、まさに静岡を凝縮したような一本です。 白隠正宗は、気兼ねない食事にこそ映えるお酒、特にアジの干物をかじりながらいってほしいものです。
 沼津には今でも200軒ほどの干物加工屋があり、富士山の湧き水と駿河湾から水揚げされる新鮮な魚に加え、日照時間の長さや富士山からの乾燥した風など、干物をつくるうえでの条件が揃い、干物の聖地と呼ばれています。
古くは、江戸時代の東海道五十三次にもひらきを干している風景が描かれており、当時から沼津の風土に根付いていたそうです。是非、干物と白隠正宗を楽しんでみてください。
朝搾りのラベルにも、双筆五十三次の江戸から十三番目の原宿を描いた「はら」が使用されており、道中の旅人に人気のあった白酒(ほんのり甘口のお酒)の売り子が描かれています。

 ラベルに描かれた東海道原宿の宿屋に生まれたのが、白隠正宗の名前の由来にもなっており臨済宗中興の祖として讃えられる白隠禅師です。
禅寺での修行中の公案(禅問答)について、知り合いの和尚さんに話を聞かせていただく機会があり、白隠禅師が住職を務めた禅寺・松陰寺にも先日行ってみました。
公案とは師僧が弟子に哲学的・抽象的な命題について質問をし、これに弟子が答えるというもので、「富士山の山頂の無はなにか」「両手を叩けば音がするが、片手ではどんな音がするか」など、なぞなぞのようなものが多く当然正解などないが一つの公案を解くのに何年もかけるそう。この作業がとんち話のようなものであることから、一休さんのとんち話は生まれたそうです。

松陰寺のある沼津市原駅の周辺は[白隠の里地区]とよばれ、白隠禅師ゆかりの地を歩きながら巡ることができます。松陰寺の山門は伊豆石の石瓦。全部で108枚葺かれていてるのは
白隠禅師の案だと言われています。白隠禅師は各地で修行を積み、松陰寺に戻ると弟子の育成に力を注ぎました。白隠禅師墓の周囲には厳しい修行中に燃え尽き発狂死した若いお坊さんたちの墓石(卵塔)が残っています。

その後も、茶室や白隠産湯の井戸を経由し、ちょうど喉が渇いた頃に向かう最終地点が高嶋酒造水汲み場です。高嶋家に盲目の僧侶が三年に亘る長期滞在の御礼として「地下に霊水があるので掘り当てなさい」と言われ、ダイナマイトを使い1日3cm掘り進め18年かけて岩盤が抜け最上級のミネラルウォーターが湧き出たのだそうです(超軟水)。
 この水汲み場は、江戸時代中期より旧東海道沿いにあり、旅人、馬借、町村民が利用し癒されてきたといわれています。
川沿いに白隠桜の咲く頃、近くを訪れることがあれば白隠の里に足を運んでみるのも良いかもしれません。

【白隠正宗】
約100年ほどかけて濾過された富士山の雪解け水を地下150mから汲み上げ静岡県の酒造好適米 "誉富士" で静岡酵母を使用して造られます。
地元沼津の干物、日常の食卓や気兼ねないおつまみに合う、飲み飽きしない、辛口ながらシルキーでやさしい味わいのお酒を造り続けています。

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