Ar.Pe.Pe. Rocca De Piro Grumello 2012
Ar.Pe.Pe. Rocca De Piro Grumello 2012
イタリア/ロンバルディア州
品種:ネッビオーロ
14世紀にデピーロ家が所有していたグルメッロ城がその名前の由来となります。サッセッラ地区よりも全体的にソフトな印象のあるワインができ、長期熟成のポテンシャルは無いと判断した時に造られるのがこのワイン。木製の開放醗酵槽で8日間のマセレーション、大樽にて2年熟成、瓶内でも2年熟成させた後にリリース。ソフトなタンニンと果実味があり、早い段階から楽しむこともできるし、もちろんセラーで熟成させても。アールぺーぺのワイナリーは、ロッカ デ ピーロの麓の岩盤を掘って作られました。
ワイナリーについて
ミラノの北西部、ロンバルディア州のスイスとの国境近くに位置するヴァルテッリーナ渓谷で、1860年以前から5世代に渡ってブドウ栽培とワイン生産を行ってきたペリッツァーティ家。一度はワイナリーを売却するも、失われゆくヴァルテッリーナのワインの伝統を憂い、1984年にAR.PE.PE.(自身の名前Arturoと、父母の苗字、Pelizzati、Peregoの略)を設立。現在はアルトゥーロの子であるイザベッラとエマヌエーレによって、13haの畑でネッビオーロのみを栽培、年間約5万本を生産しています。彼らの畑は、アルプスの麓の急斜面にあり、山の形に添った小さな段々畑になっています。段々畑と言っても日本のそれとは全く違い、まさに断崖絶壁に無理やり作ったかの様な畑。当然トラクターなど入れるわけもなく、全てが手作業。一般的なちょっと作業効率の悪い畑で1haあたり400~500時間の作業時間を要するのに対し、彼らの畑は1haあたり1500時間が必要、つまり3倍以上の労力/人件費を必要とするのです。そんな中でも彼らは除草剤の使用をやめ、草刈りは全て手作業。病害虫に対する農薬の使用も、どうしたら少なくできるかを常に模索し年々その量を減らしています。13haある畑での作業は、8人の従業員(+エマヌエーレ)が春から収穫までまさに駆け足で仕事してギリギリなのだそう。そして、段々畑を支えている石垣、50kmの畑の中に2500km分の石垣があり、毎年どこかしらが崩れたり壊れたりするらしく、その修繕費だけでも毎年数百万円かかるとか。畑での気の遠くなるような重労働、そしてセラーでもリゼルヴァクラスに至っては約10年後にリリースさせるなど、効率や費用対効果という言葉とは真逆の道を進むアールペーペ。強い信念、伝統文化に対する誇り、それを守るための覚悟、愛情、情熱から生み出される彼らのワイン。